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2020-03

勉強会の余談(作品番号の略語) - 2013.06.18 Tue

先日、生徒たちの集まりをした折、レジュメに本来はモーツァルトのKV448の原典版と比較した場合の注意点に触れようと思っていたのだが、余りに長くなってしまうため…いや、いずれにせよ音で実演出来る訳で、そのスペースを別な「余談」とした。
(2回に分けたので、2回目はこれからなのだが)

最近に限ったことではないのだが、作品番号の書き方について疑問に感じること屡々あり、スペースのある限り纏めてみました。「書き方」であって「読み方」を強いるものではありません。


     《作品番号に関する略語》

★ Op. :一般的な「作品番号」の意。これはラテン語「opera〔女性名詞・幅広い仕事や労働〕」と関連があり(歌劇のオペラもここから派生)、中性名詞opusは事務、作品や著作物も意味します。ドイツ語の名詞は頭が大文字でOpus「オープス」、英語は小文字でopusと書くこともあり「オーパス」。略していますからOpの後に「.」を付けます。ドイツ語圏でopusと小文字で書くことが多いのは、ラテン語として扱っているのでは?
★ BWV:J.S.Bachの作品に付けられる作品番号への記号。日本のラジオやテレビでは「ビーダブリューヴイ」などと読むことが多いのですが、本来はドイツ語の「Bach Werke Verzeichnis(バッハ ヴェァケ フェァツァイヒニス)」の頭文字。現地では「べーヴェーファォ」も言わなくはないですが「Bach Werke Verzeichnis」と大抵省略せずに言っています。BWVで記号になっているので「.」は付けない慣習です。ジャンルごとに順番が決められ、チェンバロ曲はBWV772からです。Inventioの1曲目がこれです。
★ Hob.:ハイドンの作品番号「Hobokenverzeichnis(ホーボーケンフェァツァイヒニス)」の略で、これはハイドンの作品を約20年かけて分類したオランダの音楽学者Anthony van Hobokenから来ています。(ウィーンでは「ホボケンフェァツァイヒニス」と「ー」と書くほどは伸ばしていなかった気が…)。-verzeichnisまでを1語とした略語なので「.」を打ちます。バッハと同様の分け方で、例えばピアノソナタはXVIというグループで、1~52まであります。
★ D:シューベルトの作品番号はOpusの他にオーストリアの音楽学者Otto Erich Deutschにより年代順に整理された「Deutsch-Verzeichnis(ドイチュ-フェァツァイヒニス)」の番号があります。当初は英語で(これは彼がユダヤ人で、ケンブリッジに移住していたため、と推察)、1978年からはドイツ語での一覧が著作物として仕上がりました。時々「D.」と「.」の付いた表記を目にしますが、Deutsch自身が作品目録の序文で「自分の名前の略記ではなく、シューベルトの作品を表す記号として、省略記号であることを示す『.』を用いずに使って欲しい」と述べているので、「.」を付けてはいけませんね。この和文は、信憑性の薄い日本語のウィキベディアに書いてあったので、信頼の於ける独文による書物(のPDF)を根性で探し出しました。参照*独文では「D. でもなく、DVでもなく、Dで」とあります。前書きの18番目の注釈です。(読んだ限りでは、自分の名前の略記ではなく云々…はありません。索引の数字と区別するために、といったことは書かれていますが)
★ KV(K.):モーツァルトの作品を時代順に並べた「Köchelverzeichnis(ケッヘルフェァツァイヒニス)でLudwig von Köchelが1862年に整理を始めました。英語圏や日本では「K.(ケッヘル)」と記されることもありますが(Verzeichnisの意味が分からないことが多いため)、ドイツ語圏では「KV」で「.」を付けずに数字を記し、読みは、ケッヘルフェァツァイヒニス、と略しません。
他にもスカルラッティの「K」や「L」、ベートーヴェンの「WoO」、リストの「S」バルトークの「Sz」…等…スペース切れにて今回は省略します。

参照*18. Dem Wunsche Otto Erich Deutschs entsprechend sollten Die Nummern des Werkverzeichnisses mit einem einfachen vorangestellten „D“ zitiert werden, also z.B. D 200, nicht D. 200, auch nicht DV 200. Nummern, die in den beiden Ausgaben des Verzeichnisses voneinander abweichen, sollten durch eine Indexziffer unterschieden werden(z.B. D1=D2A, oder D1 deesr=D2 1A).
上の括弧の中の「z.B. D」の後の1や2は右上に小さく記された数字です。この欄にはそのフォントが出ないので、ややこしくなりました。

A4の半分に収めようとした文章で無理があります。手直しを、と思ったのですが挫折。また後ほど。全面的に表にすればよいのですね…(多分これはしない


追記
Op.の箇所に追記をしました。
KVについても、日本の「音楽用語辞典」の類に、「K.V.」と書いてあるものもあり、実際それは在墺中の日常で目にしていましたし、実際そのように記された当時の独文印刷物が手もとにあります。Köchel-Verzeichnisの記載も目にしたことがあります。ただ、ドイツ語の(1970年代に購入した)小さな音楽事典には「KV Nr.」と書かれてあり、その本の文中で「K.」と記されている箇所は、(おそらく)スペース節減のためにKöchel氏の名前の略語として書いてある箇所です。
という訳で、ケッヘルについては分かればよいのでは?…(と、結局いい加減なわたくし…頭の片隅で、もしや新正書法?…)

又、KVやBWVなどピリオド無しの記号と数字の間を半角空けるか否か、フォントによって大変くっついて見えることもあり、この辺りに関しては出版業者ではないので、その都度見栄えの良いように私は無視しています。すみません!!

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プロフィール

奥 千絵子

Author:奥 千絵子
★上の画像は2001年にCDにして約3枚分を収録したものを,2006年に2枚組としてリリースしたCD「樂の音に寄せて」です.『レコード芸術』2007年1月号で「特選盤」として取り上げられました.戸倉新樹教授によるライナーノートは医学生にもお薦めです.その他のCDや著書はWebsite「本館」からお入りください.このブログも「本館」のDIARYです.
★このブログの"Grüß Gott !" (文字化けの場合はGruess Gott!)は墺・南独の時間を問わない挨拶です.Website「本館」のDIARYです.出版CDや著書の詳細は「本館」のメニューからお入りください.
Website「別館」もあります. 著書「ピアノと向きあう」の説明を補うサイトです.よく頂く質問に説明を記載しています.
★上記著書については今井顕 氏によるKINOKUNIYA書評空間WEBLOG を是非ご一読くださいませ.
Auch auf Deutsch schrieb ich…
★【膠原病の記録】余りに医療のカテゴリーがが増えてしまったので目下整理中です.大変複雑な病気の経験が同じ病の方々への参考となりましたら幸いです.
「乳癌と膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)」「膠原病(退院後)」 ,その他の医療の話(自分以外も含めて)は「医療・病院関係」,に取り敢えず分けました.
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演奏:東京カンマーコレーゲン 
室内楽アレンジ:奥 千絵子
ショパン:華麗なる大円舞曲Op.18
演奏:奥千絵子 ショパンのワルツは上の画像の2枚組CD「樂の音に寄せて」に入っております.
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制作・著作:奥千絵子
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