弾き方の迷い - 2010.12.30 Thu
常日頃「調性のキャラクター」について述べています。
そして、この曲もE-dur。
メンデルスゾーンという作曲家はとかく「大金持ちの御曹司」というイメージで語られますが、大変苦労もした音楽家。それまでは教会オルガニストとしてばかり有名であった J.S.バッハを「作曲家」として世に知らしめた人です。
メンデルスゾーン自らも教会オルガニストを勤め、多くのオラトリオ、コラールをも作曲しています。
それを考えた時、このOp.19/1を、俗に呼ばれる「甘き想い出」として捉えるか、分散された伴奏によるコラール、と捉えるべきか、常に迷います。「甘き想い出」が余りに一人歩きしているから。
けれども、Lieder ohne Worte(直訳:歌詞のない歌曲)であり、あたかも歌詞が付いているような旋律線は大切。どのような歌詞か、と言えば、それは演奏者の思い次第で…
聴き手がどちらの思いを求めているか、その時の反応を感じつつ弾き進めれば良いのでしょう。
年末の片付けをしながら、ふとそんな事を思ったので、書き留めておきます。
______________
追記
時折この曲をヴァイオリン演奏で聞きます。
大抵とても速いテンポ!
しかし、この原曲のテンポ指定は「Andante con moto」であり、ModeratoでもAllegroでもありません。
16分音符の伴奏の扱いを考えずに、メロディのみ弾いていると速く弾きたくなるのでしょう。
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