辞書
ぐりゅーす ごっと Grüß Gott !
fc2ブログ
demel_convert_20140717095040.jpg

2023-10

純正オルガンの歴史(娘の文章です) - 2009.10.16 Fri

離れて住んでいる娘と同じ時間帯に同じテレビを双方とも途中から見てメールをやり取り。
私には到底纏まらない内容を…娘に頼んだらサラサラっと書いて送ってくれた…

という訳で,下記は娘の文章そのままです。

___________________________________________________________

先日Leipzigの楽器博物館で見付けた謎の楽器。


説明を読んだが分からなかった鍵盤




取り敢えずオルガンの発展の中で
誰かが何かやり過ぎて訳が分からなくなった、
という認識でスルーしつつも面白いのでフォトシュート。



先日の旅では何かと芸術だとか音楽学という単語を目にした。
Leipzigには音楽学の大学があるし、
Wienでも宿泊したペンションのすぐ傍の目立たない建物の
入り口にも何やら音楽学校らしき看板があった。
宿泊先は市場の脇でアジア人も多くアジアンマーケットも多い区画。
変な場所にあるもんだなと思った訳なんだけど。



今しがたBSで見掛けた番組で
「純正調のオルガン」を探してベルリンからウィーンまで往くという
中々奇特な内容のものがあった。
こういうのは詳しくないので内容は省く(専門家に任せる)が
かいつまんで言えば
現在の音階は昔から同じ音の幅だった訳ではなく
様々な研究が重なりながら取り敢えず今の音階に至った訳だ。
今の音階もオクターブ(ドから上のドまで)を分ける
あの音程も「平均律」との名前とは裏腹に
完全な等間隔では刻まれてない訳でして。
そんな理系の仕事の中で現れた、
正確な幅で刻まれた音楽重視の間隔の音、それが「純正調」。



で、その純正調の音階のオルガンを所望したのが
昔のドイツ皇帝。
で、依頼されたのがひとりの日本人男性「田中正平」。
色々試行錯誤を重ねた結果、彼はそれを完成させたらしいのだが
如何せんドイツと日本は敗戦国。情報も消失したものがあるんだろう。
…が、今でもその純正調のオルガンを使っている場所があると言う。
それがどうやらウィーンにある音楽学校。



入り口見て吃驚した。
だって其処、宿泊先の御近所さんにあった謎の学校らしき場所。
内部は綺麗でちゃんとしたホールもあったんだけど。
其処にあったのが、
鍵盤の上に大量のボタンが配置された不思議な楽器。
この形、どっかで見覚えが…
………って、Leipzigで見たあの謎楽器じゃねーか!!!
ボタンの形はちと違うけど配置は一緒じゃねーか!!!!!
うん、やっと分かったよ、あの謎楽器の正体。
鍵盤が勿論一般的に演奏される部分なんだけど
上の大量のボタンも細かい音程を示す「鍵盤」だったのだ。

(2017年9月、写真↓追加)
DSCN5390.jpg


番組の旅人は西村由紀江。
101回目のプロポーズのピアノ弾いてた人なんだけど。
猛特訓の末弾いてましたよ、アヴェ・ヴェルム・コルプス(確か)。
いやなんか…
音声が無ければ音楽を奏でているって分からないね、あれは。うん。




そんな偶然の、時間を掛けた大発見でありました。

_________________________________________

番組終わりの方で,伊藤博文がドイツ皇帝に謁見した折,皇帝の「田中正平はどうしているか?」との問いに,伊藤が「ぽかーん」(テレビではそうは言っていませんが)と答えに詰まっていたところ,「ドイツ人誰もが知っている田中正平を日本人の代表が知らないとは何ごとだ!?」と怒った,との逸話もありました。

段々と娘の代筆にならぬよう,頑張りたいと思います。


関連記事

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://allegrobunchan.blog18.fc2.com/tb.php/354-cb58ccaa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

選曲に疑問 «  | BLOG TOP |  » 今度は瘭疽(ひょうそ)

プロフィール

奥 千絵子

Author:奥 千絵子
★上の画像は2001年にCDにして約3枚分を収録したものを,2006年に2枚組としてリリースしたCD「樂の音に寄せて」です.『レコード芸術』2007年1月号で「特選盤」として取り上げられました(ブックレットの表紙は、父・奥 龍之介によるものです).その他のCDや著書はWebsite「本館」からお入りください.このブログも「本館」のDIARYです.
★このブログの"Grüß Gott !" は墺・南独の時間を問わない挨拶です.Website「本館」のDIARYです.出版CDや著書の詳細は「本館」のメニューからお入りください.
Website「別館」は, 著書「ピアノと向きあう」の説明を補うサイトです.よく頂く質問に説明を記載しています.(動画での説明は遅れたまま)
Auch auf Deutsch schrieb ich…
★【膠原病の記録】余りに医療のカテゴリーがが増えてしまったので目下整理中です.大変複雑な病気の経験が同じ病の方々への参考となりましたら幸いです.
「乳癌と膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)」「膠原病(退院後)」 ,その他の医療の話(自分以外も含めて)は「医療・病院関係」,に取り敢えず分けました.
平成12.12.12.病院での復帰リサイタルはYouTubeでの記録です。
★恩師のことは55年間を遡り少しずつ記載するつもりです。目下のところはこれだけです.
★コメントも大歓迎です。SPAM防止上、確認後に公開しております。ご理解をお願い致します.
★このブログや大元のサイトへの感想やお問い合わせはservus2008@gmail.com宛に@を半角に直して送信願います.
★【BGM】
リスト:超絶技巧練習曲より「鬼火」
スクリャビン:練習曲Op.42/5

演奏:1979年の奥千絵子
Robert Stolzメドレー
演奏:東京カンマーコレーゲン 
室内楽アレンジ:奥 千絵子

★Copyrights©1997-2022 Chieko Oku All rights reserved.
制作・著作:奥千絵子
★下方に設置のカウンターは、サイトを複数回お訪ね下さいましても1日を1回とカウントし、又、筆者を入れない設定になっております。



最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する