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2020-03

アンサンブル その2 - 2009.08.21 Fri

前回に続いて…

曲は、エルガー作曲「威風堂々(Pomp and circumstance)」第1番
Copyrights© Chieko Oku All rights reserved.


MP3ファイルを聞くにはプラグインが必要です。

この演奏が良い、とか悪い、とかの話ではなく一例です。(因みに、上の演奏者は4人とも大学生以上。仕事やバイト、学生としての本業等と両立させるべく、少ない時間を工面して何とか演奏の機会を終えました。)
それ以前に私のアレンジに問題があるかも分からず

でも、お聴き頂きながらお読み下されば幸いです。



連弾や二台ピアノのアンサンブルをどの様に練習したらよいのか、という事に触れたいのです。

★まず、一台の連弾
これに於いて最初に難しいのはフィンガリング決めです。
第1と第2の人の指がぶつからない様に決めねばなりませんね。つまり第1の人の左手、第2の人の右手は余り4,5の指を余らせておかないこと。絡まってしまいます。
どうしてもかち合う場合は、どちらが鍵盤の奥を弾くか手前を弾くか、打ち合わせが必要です。
次はペダリング。
よく、メロディーを弾く第1ピアノの人が踏むべきだ、との意見を耳にしますが、私自身は第2ピアノの人が踏むことを勧めています。
何故なら、メロディーを扱う人が踏むと、兎角メロディーに合わせて繋げるペダルだけとなり、つまりバスから遅れるペダルになりがちです。
ペダルの話を書き出したら本が出来てしまいそうな程なので割愛しますが、バスと同時に踏んで倍音を作り、その中でメロディが濁らぬ様に踏み換えをして行くのが良いのです。
長さも、バスを考慮してワルツの様に同時に踏む場合ですら、ずっと同じ長さではなく、盛り上がりや歯切れ良さ、更にメロディーを考慮して長さも踏むタイミングも臨機応変さが求められます。
あとは合わせて、2人での音楽作りとなります。
この場合、テンポの揺れや間の取り方は勿論、独奏曲を想像してバランスを整えることも大切です。
自分の弾いている右手は?左手は?と存在を確かめます。例えば、第1ピアノの右手にメロディーがあり、第2ピアノや第1ピアノの左手が伴奏となる場合には、第1ピアノの左手と第2ピアノの右手は伴奏として(音型にもより、伴奏ではないこともありますがそれは除いて)解け合うことが必要なのか、それぞれのパートの起伏を生かすことが必要なのか。
第2ピアノの左手は、上の3パートの音を支えるべく、つまり倍音をも出す役割として、フォルテの時はより大きめに、ピアノやピアニッシモの時には、メロディとのバランスを耳で整えて、おそらくそれでもメロディの次に出すのが解け合うバランスになると思います。
バスが鳴り響けは、他のパートもより充実したフォルテになります。

簡潔に書こうとすると纏まりません。

★次は二台ピアノのアンサンブルです。
1台での連弾との違いは?と考えた時、二人ともソプラノの輪郭、バスの輪郭を担う可能性があること。しかも受け渡しながらひとつのフレーズを弾く事が多いです。同じ和音をオクターブずらして弾くことも多いです。
有名な、モーツァルトの「二台のピアノの為のソナタ」KV.448の冒頭数小節を想像下さい。この場合、右手は高い音域を受け持つ人が右手を出す。左手は低い音域を受け持つ人が左手を出す。それが整ったバランスを作る筈です。
ペダリングに関しては 二人ともペダルを使えるメリットがあります。
但し、バスの倍音をもう一台に使うことは出来ません。
よほど響くホールであったり、又二台をかみ合わせて配置すれば多少共鳴はあるものの、一台でダンパーを共有出来る場合とは全く異なります。
同じ高さで同じ音型を弾く事が多い箇所では、ペダリングも指も、同じ様な長さに整える必要があります。     
これらをふまえて、お互いに反応し合って演奏する、結局は「耳」でよく聴き、コントロールするのですが……言うは易く…

かと言って、お互いの個性を殺す事ではありません。特にゆったりとした曲では、相手がやろうと思っているテンポの揺れを察知して先取りしたり、或いはもっと自由気ままに弾けるべく、ちょっとオーバーな位に弾いて助ける事も必要となります。特に相手がまだ音楽的に幼い年齢であれば、年長者がリードして引っ張る事も必要です。
これらの事は、二台ピアノに限らず、他の楽器とのアンサンブルや、伴奏にも当てはまります。


★上の「威風堂々」は、一台に2人ずつ二台の連弾ですので、全てを完璧に実行しようとすれば、2×2では到底収まらない大変な作業です。


★更に…
これらのアンサンブルが更に歌の伴奏の場合には、歌詞がありますので、歌詞を助ける役割も必要になります(簡単な例えですが「淋しい」という歌詞の部分を明るく弾くのはどうか???といった事です。)。


いずれにせよ、毎回弾き方が変わって当然で、それこそがアンサンブルの醍醐味です。
ステージではお楽しみください。上に列挙した事柄を含みつつ・・・

★更に具体的な事や、コンチェルトの伴奏については、又改めて書きます。





以上、翌日用のレジュメより。(プリンタ不調の為)


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プロフィール

奥 千絵子

Author:奥 千絵子
★上の画像は2001年にCDにして約3枚分を収録したものを,2006年に2枚組としてリリースしたCD「樂の音に寄せて」です.『レコード芸術』2007年1月号で「特選盤」として取り上げられました.戸倉新樹教授によるライナーノートは医学生にもお薦めです.その他のCDや著書はWebsite「本館」からお入りください.このブログも「本館」のDIARYです.
★このブログの"Grüß Gott !" (文字化けの場合はGruess Gott!)は墺・南独の時間を問わない挨拶です.Website「本館」のDIARYです.出版CDや著書の詳細は「本館」のメニューからお入りください.
Website「別館」もあります. 著書「ピアノと向きあう」の説明を補うサイトです.よく頂く質問に説明を記載しています.
★上記著書については今井顕 氏によるKINOKUNIYA書評空間WEBLOG を是非ご一読くださいませ.
Auch auf Deutsch schrieb ich…
★【膠原病の記録】余りに医療のカテゴリーがが増えてしまったので目下整理中です.大変複雑な病気の経験が同じ病の方々への参考となりましたら幸いです.
「乳癌と膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)」「膠原病(退院後)」 ,その他の医療の話(自分以外も含めて)は「医療・病院関係」,に取り敢えず分けました.
平成12.12.12.病院での復帰リサイタルは演奏動画入り記録です。
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【BGM】
Robert Stolzメドレー
演奏:東京カンマーコレーゲン 
室内楽アレンジ:奥 千絵子
ショパン:華麗なる大円舞曲Op.18
演奏:奥千絵子 ショパンのワルツは上の画像の2枚組CD「樂の音に寄せて」に入っております.
★Copyrights©1997-2020 Chieko Oku All rights reserved.
制作・著作:奥千絵子
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