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2020-09

7本指のピアニスト - 2009.07.14 Tue

お昼のワイドショーの類は余り見ないのですが、今日は昼食を摂りながら何となく偶々ついていたチャンネルを見ていました。

TBSの「ひるおび」という番組です。

末端低形成症で、生まれた時から左手の指が2本しか無い、18歳の小林夏衣(かい)さんという高校生がピアノの演奏をしていました。

驚きです!!
演奏技術は、画面を見なければ7本で弾いているなど分かりません。
音楽も、ご本人の強さ優しさが演奏に出、素晴らしいショパンの「タランテラ」や「革命のエチュード」、プロコフィエフのソナタ2番等々を演奏しておられました。

思わず釘付けになってずっと見てしまいました。

ご両親も素晴らしい!
彼女の生まれた時の様子を、お父さまは「さっちゃんが生まれた、と思った」と述べられました。「さっちゃん」とは、教師であるお父さまが教材に使った「さっちゃんのまほうのて」という本の主人公で、右手の指が無い子供です。

夏衣さんが生まれた日のお父さまの日記には、「うれしくて悲しい出産」と書かれていました。やはり先のことを考えた、と仰います。
鉄棒ができない、ピアノが弾けない、ボタンがはめられない、等々。
しかし、夏衣さんは鉄棒の逆上がりも楽々出来、ピアノも弾ける!何もかも出来る!!
その蔭にある努力たるや・・・いや、おそらく「努力」という意識は無しに・・・でしょう。


夏衣さんは4歳でピアノを触り、6歳から習い始め、自ら左手を2本指で弾く工夫をしながら、正規の曲を弾きこなし、ピアニストとしても活動をされている様です(私自身ピアノ弾きを名乗りつつ、実は音楽界には全く疎い人間です。ひょっとすると既に有名な方なのでしょうか?)。


ご両親の優しさと強さにも深く敬服する場面が数々ありました。

お母様共々ある中学に招かれ、演奏をし(番組ではドビュッシーの「アラベスク第1番」が流れました)、生徒の質問にも答える場面がありました。
「障害」に関する質問の答えに、「7本の指を不自由だ、と感じたことはなく、これが自分にとって当たり前、もし10本あったら困ってしまう。誰だって3本の手があったら困るのと同じ」と。
又、お母様は、「無いものを見るのではなく、有るものを見る」という事を仰っていました。


夏衣さんは、「ピアノでは限界が来る」という現実を見据えて、大学は作曲科に進みたい、と作曲の勉強をしておられるそうです。立派です。

同じ末端低形成症で片手の指が全く無い少女の為にピアノ曲を書いたり、自閉症の子供にピアノを触らせて音楽の楽しさを教えたり、今は卒論(高校ですから、何て言うのでしょう?)のテーマを、障害者と音楽の結びつきといった内容に絞って沢山の文献を広げている場面もありました。

最後に、どこかのレストランで弾いておられた、ショパンのノクターン、遺作cis-mollは、涙が出るほど感動的でした。


“無いものを見るのではなく、有るものだけを見る。”
しっかり心に刻みました。



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プロフィール

奥 千絵子

Author:奥 千絵子
★上の画像は2001年にCDにして約3枚分を収録したものを,2006年に2枚組としてリリースしたCD「樂の音に寄せて」です.『レコード芸術』2007年1月号で「特選盤」として取り上げられました.戸倉新樹教授によるライナーノートは医学生にもお薦めです.その他のCDや著書はWebsite「本館」からお入りください.このブログも「本館」のDIARYです.
★このブログの"Grüß Gott !" (文字化けの場合はGruess Gott!)は墺・南独の時間を問わない挨拶です.Website「本館」のDIARYです.出版CDや著書の詳細は「本館」のメニューからお入りください.
Website「別館」もあります. 著書「ピアノと向きあう」の説明を補うサイトです.よく頂く質問に説明を記載しています.
★上記著書については今井顕 氏によるKINOKUNIYA書評空間WEBLOG を是非ご一読くださいませ.
Auch auf Deutsch schrieb ich…
★【膠原病の記録】余りに医療のカテゴリーがが増えてしまったので目下整理中です.大変複雑な病気の経験が同じ病の方々への参考となりましたら幸いです.
「乳癌と膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)」「膠原病(退院後)」 ,その他の医療の話(自分以外も含めて)は「医療・病院関係」,に取り敢えず分けました.
平成12.12.12.病院での復帰リサイタルは演奏動画入り記録です。
★恩師のことは55年間を遡り少しずつ記載するつもりです。目下のところはこれだけです.
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【BGM】
Robert Stolzメドレー
演奏:東京カンマーコレーゲン 
室内楽アレンジ:奥 千絵子
ショパン:華麗なる大円舞曲Op.18
演奏:奥千絵子 ショパンのワルツは上の画像の2枚組CD「樂の音に寄せて」に入っております.
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制作・著作:奥千絵子
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