歌詞と音楽 - 2009.02.27 Fri
前の病人、病気、医師の話もだが。
詳しくは述べられないのだが、目下音楽に関する文章を書いており、昨日はその題材として早朝に"The Sound of Music"の歌を数曲使って譜例を作っていた。
すると夜、何と!BS2にてその映画をやっている、と家族に知らされ、DVDを持っているにも拘わらず、つい最初から最後まで見てしまった!!
しかも、その後娘が「歌いたいから伴奏をして欲しい」と言い出して、メインの7-8曲伴奏して遊んでしまった(真夜中に!)。
さて、ここからが本題、というか問題。
ザ・サウンド・オブ・ミュージックを例に使う前には、シューベルトの歌曲を扱おうか、と「冬の旅」の「対訳と分析」なる解説本をパラパラと捲っていたのだが、やはりドイツ語は英語に比べてマイナーな語かも分からない、と前述の英語の曲に変更を考えた次第だった。
その解説書の中で、「声楽曲の場合、作曲家が書いた歌の楽譜と原作の詩に相違がある場合、それが意図的に変えたものなのか、それとも間違って書いたものなのか」ということが問題になっていた。
そして、「冬の旅」の第20曲の「Der Wegweiser(道しるべ)」の第3節の第1行に於ける「Wegen」が原作では「Straßen」となっていることを、「間違いによるとも解釈され得る」というのだ。理由は「敢えてWegenに変えなくてはならない理由がないからである。」とも書かれている。
これはどうだろうか?
シューベルトのスペシャリストとして著名な歌手でもStraßenに直して歌っておられる方もある。
シューベルトが生きていた当時のウィーンはどうであったか分からない。しかし、Straße(複数Straßen)と言えば、「道」や「道路」を表す単語の中では一番広く大きなイメージがある。
次にGasse という、やはり「道」と訳されるであろうが、少し小さめの「道」もある。
そしてWegと言ったら、「小径」と敢えて訳したくなる様な細い、舗装もされていない「道」を私は思い浮かべてしまう。冬には心が締め付けられそうに孤独な「小径」を!
特にウィーンの森方面の標高の高い場所には「Gasse」と付く名前の道より「Weg」が付く名前の道の方が多い程だ。
その取り上げられている「Wegweiser」という曲で、指摘されている第3節の「Wegen」の言葉がある部分は短調であり、単語は短3度下降する形である。
もっと後に出て来る「Straße」の箇所は、薄暗い短調の中で長調に移りたい夢を密かに持ちつつ移れない様な和声進行(言葉での表現は難しい。しかも初見での弾き語りで試してみたので定かでないが、その様に感じるのは私だけではない筈)。しかも、自分が歩まねばならないひとつの道(Eine Straße muss ich gehen)、しかも誰も戻ってきたことのない道、と繰り返し歌われている道しるべの道は広い道…
多くの小径(Wegen)に立っている道しるべは街々への道を示しており…
Wegという言葉に、私は「道」以外にも何となく「方向を示している」様なニュアンスを感じる。
しかもWegweiserである。人生の道も含めての道しるべではないだろうか…
シューベルトが響きと共に敢えて分けて書き換えたもの、と私は確信してしまう。
と、ドイツ語の曲は説明を書き添えねばならないことが多すぎる為、英語の歌詞の曲を探した結果、昨朝は"The Sound of Music"の中の数々となった次第。でもテーマとして抱えていることはドイツ語圏の音楽なので…英語で例を挙げてドイツ語に発展させるべきかも分からない。
・・・・・と書いたものの、上記のWegの例は全く扱わなくても構わない内容。
この様なことにまで関わって迷っているだけであり、全く捗らない・・・まさに私の文章にこそWegweiserが必要と言えよう・・・
*駄文乱文のまますみません。益々、ですが…
シューベルトが、「狭き門より入れ、滅びに至る門は大きく、その道は広い。命に至る門は狭く、その道は細い」を意識して書き換えたのであろうか?という疑問もあり…
- 関連記事
-
- 7本指のピアニスト (2009/07/14)
- 今日は「こうもり」 (2009/06/27)
- シューベルトの「最期の家」 (2009/06/26)
- Phänomen Haydnその2 (2009/06/25)
- ハイドン記念の年 (2009/06/24)
- Der Wegweiser(道しるべ)追記 (2009/03/07)
- 昨日の"Der Wegweiser" (2009/02/28)
- 歌詞と音楽 (2009/02/27)
- A. Wyethの逝去 (2009/01/17)
- 偉大な芸術家の演奏推移 (2009/01/14)
- *1月6日* (2009/01/07)
- ハープの贈呈式 (2008/05/22)
- 追記しました (2008/05/05)
- 祖母 (2008/05/03)
- 一度でも直接話しをしてみたかった(2) (2008/04/29)
● COMMENT ●
テスト
トラックバック
http://allegrobunchan.blog18.fc2.com/tb.php/259-61110c46
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
お手数に感謝です。