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2020-04

父と娘の歌 - 2008.12.26 Fri

体調を崩したお陰で堂々と寝てばかりいたが、ずっと見られずにいたDVDを見たり、妹に借りた漫画(ちばてつやの数々)を読んだりする時間を持てた。
大抵のDVDは見始めて数分で寝てしまうし、漫画ときては1ページすら読めないうちに眠ってしまっているのだが、今回のDVDはそうではなかったし、漫画も一冊の半分は続けて読めた。
昭和の旧き佳き時代を思い出した所為かも分からない。

DVDは友人M田さんがコピーを下さった「父と娘の歌」というタイトルの、ピアノを学ぶ、吉永小百合演じる少女が主役(父親役は宇野重吉)。中学の頃に見た記憶だけはあったのだが、1965年制作とのこと。私が中3の時に父が荻窪の映画館に連れて行って見せてくれた映画だ!と、はっきり記憶が蘇った。

あらすじを書こうとしたのだが、推敲する時間が無いのでURLを貼り付けます。
ここには書かれていないが、父親は娘がピアノと並行して懸命に自分の薬代(心臓神経症)をバイトで貯めてくれていたことを知るや、今度は逆にこっそりと娘に「写譜」のアルバイトを回す。
又、娘は何とか父親をオーケストラのクラリネット奏者に復帰させたいと思い(自分がコンクールで優勝した演奏会で共演したい、と)、演奏旅行に出発した父親を追いかけ、オケの入団試験に間に合わせるべく仙台まで乗り換えを計算し、既に発車しかける列車の中の父親に説得する場面もあった。
最後はチャイコフスキーのコンチェルトを父親も団員となったオーケストラと共演するのだが、練習ですっかり緊張して失敗する娘のところに父親が歩み寄り、「大丈夫だから」と語りかけるシーンがあった。



映画への詳しい感想は改めるとして、可笑しかったのは(という表現は顰蹙を買うかもしれないが)、ヨーロッパから帰国した江戸氏のレッスン風景が、私自身が8歳から大学を卒業するまで在籍した藝大のN教授とそっくりであったこと。
台詞の、「何をやっている!!」「アマチュアならそれでいい!プロの世界はそんな生やさしいものではないんだ!!」「最近ガタ落ちだよ!恥ずかしいじゃないか、やめちまえ!!」「いくらテクニックがあったって美しい感情ってものを表さなかったらピアノなんて弾けやしない!」等々々々・・・台詞そのもののみならず口調までそのままだった。譜読みの間違いを直すでなし、具体的な指摘をするでなし、勿論模範演奏をするでなし・・・
いや~~、モデルはN先生??と思ってしまったほどだった。
(おそらく、実際に映画を見た中3の時には、他の先生の教え方を全く知らなかったから、違和感を感じなかったに違いない)

映画を見ているうちに自分の過去が蘇った。
この様な教え方の先生に習ったことを不満に感じた時期もあったが、私は自分の演奏を録音すること、鏡を見て、出したいと思っている音色を出す為の指の動きや手の形を工夫する楽しさを覚えたものだ。
譜を読んだ日のうちにその様に練習したお陰で、無駄な時間がが省けた、とも思っている。
目標の演奏内容は、先生が「うん、いいね」と言って下さったら、自信を持って良い、という練習成果のバロメータだった。


ところで私の父は ー この映画を見ていて想い出してきたのだが ー 私が中学3年の頃からよく美術館に連れて行ってくれた。
学校の社会科の授業で、来日中のフランスの絵画展の図録や絵葉書を先生が見せてくださった、と話すや、よし、行こう!だった。実際に見た「大工の聖ヨセフ」の、蝋燭の灯り、それに照らし出された親子の顔は忘れられず、20代後半、コンクールでブリュッセルに行った折、抜け出してパリのルーブル博物館に見に行った程だった。(誘ってくださったEさん、有難うございます。感謝しています。今頃ですが…)
又、中3当時のある日(我が家にはレコードプレイヤーというものが無かった)、初めて貰ったリストの曲が難解で(初めてリストを弾くのに「2つの伝説」!?!?)、その練習ぶりを隣室で絵を描きながら聴いていたのだろう、翌日勤めから帰り、「おい、レコードを聴かせてくれる店があるぞ」と。荻窪の、当時存在した踏切の北側にあった「ミニヨン」というレコード喫茶(このブログのどこかに書いた気もするが)に私を連れて行ってくれた。「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ /St.Françios d'Assise, la prédication aux oiseaux」と「波の上を歩くバオラの聖フランチェスコ /St.Françios de Paule marchant sur les flots 」(フランシスと書くべきか…)は、以降も大好きな作品となった。

父自身はアンドリュー・ワイエスの技巧を尊敬し、ワイエスの絵画が来日すると私も引っ張って連れて行ってくれたものだった。細部の重要性など、絵画から学ぶところが多かった気がする。


と、DVDを見て色々なことが蘇り・・・自分自身の父と娘の話が長くなったのでこの辺りで送信。



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プロフィール

奥 千絵子

Author:奥 千絵子
★上の画像は2001年にCDにして約3枚分を収録したものを,2006年に2枚組としてリリースしたCD「樂の音に寄せて」です.『レコード芸術』2007年1月号で「特選盤」として取り上げられました.戸倉新樹教授によるライナーノートは医学生にもお薦めです.その他のCDや著書はWebsite「本館」からお入りください.このブログも「本館」のDIARYです.
★このブログの"Grüß Gott !" (文字化けの場合はGruess Gott!)は墺・南独の時間を問わない挨拶です.Website「本館」のDIARYです.出版CDや著書の詳細は「本館」のメニューからお入りください.
Website「別館」もあります. 著書「ピアノと向きあう」の説明を補うサイトです.よく頂く質問に説明を記載しています.
★上記著書については今井顕 氏によるKINOKUNIYA書評空間WEBLOG を是非ご一読くださいませ.
Auch auf Deutsch schrieb ich…
★【膠原病の記録】余りに医療のカテゴリーがが増えてしまったので目下整理中です.大変複雑な病気の経験が同じ病の方々への参考となりましたら幸いです.
「乳癌と膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)」「膠原病(退院後)」 ,その他の医療の話(自分以外も含めて)は「医療・病院関係」,に取り敢えず分けました.
平成12.12.12.病院での復帰リサイタルは演奏動画入り記録です。
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【BGM】
Robert Stolzメドレー
演奏:東京カンマーコレーゲン 
室内楽アレンジ:奥 千絵子
ショパン:華麗なる大円舞曲Op.18
演奏:奥千絵子 ショパンのワルツは上の画像の2枚組CD「樂の音に寄せて」に入っております.
★Copyrights©1997-2020 Chieko Oku All rights reserved.
制作・著作:奥千絵子
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