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2020-04

ハノン生誕200年を記念するレクチャーと試演 - 2019.09.16 Mon


去年の暮には「ハノンの発表会でもするぞ!」と意を決し、年賀状もハノンを泣きながら弾いている雌のイノシシにしたのですが・・・💦

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前の日記に書いた通りで、気付けば真夏!
会場を押さえるのも(内心、億劫さが先立ち)「多分無理だわ」となり、でもお世話になったハノン先生!
何か形にしておきたい。
我が家にて、生徒達も試演し、メインは私の「ミニ・レクチャーと試演」の勉強会を行い、年内もう1〜2回行えれば…ということに落ち着きました。
急遽7月末に(8月初めか?)メールで参加者を募り、9月の8日と14日に(試行錯誤の段階ながら同じ内容の)第1回目を終えました。

レジュメは以下。
タイトルは「Charles-Louis Hanon 生誕200年を記念して ハノンの活用法を考えるレクチャーと試演」ですが、いつものように画像をピクセル数を決めて縮小するちょっとした手間すら気力は失せ、取り敢えずサムネイルをクリックすれば実物大で表示されます。すみません!!

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最初は版について。表紙に写真を載せた版の中身の違いを説明。
Schott版やPeters版、その昔の(昭和33年に発行された)音楽之友社版のメリットを主に。

・・・と書いたものの、「どうぞクリックで拡大の上お読み下さい」で片付けます。

「特にショパンの作品には音階・アルペッジョの原型が盛り沢山、(練習せずとも弾ける)些細なパッセージに繋がります」ということで、ショパンの有名処12曲ほどから「音階やアルペッジョを含む些細なパッセージ」をピックアップして試演(ポロネーズ、バラードあれこれ、プレリュード、ファンタジー、ワルツ、など)。最後はコンチェルト第1番の第3楽章コーダ全部。
終わってから思い出した。それらの曲をそのテンポで弾くには、ハノンの楽譜のメトロノームは遅すぎ、勿論練習中の曲のレベルによってなのだが…といったことを添え忘れた。

スマホ撮影で粗雑なまま、年明けてアップロード(クリックで拡大なさってください)

譜例(追加も含め)2のコピー


その後、生徒達の試演。
①どの指も均等に、かつ強靱に鍛える目的で、拙著のタッチ【A】と【B】によって練習中の「バリバリ系」のハノン、及びその応用曲
②ハノンと言えども、レガーティッシモで鍵盤に指が吸い付くかの如く、且つ指〜腕の重さを使い分けるタッチ【C】〜【D】でJ.S.Bachの2声インヴェンション、2声それぞれを起伏豊かに表現する(ハノンをそのタッチと調性で弾いた後)。
スタートは5歳児、1拍遅れで表情もカノンにするハノン第1番。および練習中の曲から左右で独立した表現を要求される曲など。以降は必ず2声のインヴェンションを必ず入れて頂き、1人あたりマックス20分(希望的…)を自由に使っていただく。


休憩を挟んで、ハノンの楽譜には載っていない、更なる応用。
ハノンは1900年に逝去していますから、それ以降の時代の作品にも応用出来るべく工夫を凝らした練習が必要です。
先ずは近現代の技法を説明。
全音音階、多調、複調(Bitonal)、無調、十二音技法、三全音(Tritone:トライトーン)、教会旋法など。
指もですが、耳がそのような音に先ず慣れるべきです。
ハノンを全音音階で弾いたり、形は易しい1番を、右手C-dur、左手E-durやA-durで弾くBitonal辺りから始め、頻繁に使われるトライトーン(三全音)や、オクターヴを3つに区切った二全音ずつのアルペッジョも必要。
曲例はプリントの通り。
日本語のルビを振り忘れました

我が恩師の一人、Dr. Josef Dichler教授が作曲された"6 kleine Stücke(6つの小品)" サブタイトルは "Zur Einführung in die modern Musik(近現代音楽への導入)"
この曲集がなかなか素晴らしく出来ていて(と私が発言するのは躊躇われますが)、今回は1曲目と4曲目しか使いませんでした。

全6曲は;
1. Spiel in zwei Tonarten (Bitonal) : 右手がC-dur, 左手がE-durの調号で書かれています。
2. Kleine Rhapsodie:主に「鋭い非和声音」を使うことでの伴奏やハーモニー。
3. Zwölftonspiel : 十二音技法
4. Gavotte(途中1. Musette, 2. Musetteあり):主な技法は教会旋法
5. Bittendes Kind :
6. Thema mit drei Variationen
(流石に、細かい文字のドイツ文を簡潔に訳すことが段々億劫になり…そのうち音源でも作りますか…)


4曲目の1. Musetteは右手が「リディア旋法」、左手は音が4つしかないですが「ミクソリディア旋法」か…

譜例(追加も含め)2のコピー5 譜例(追加も含め)2のコピー6

教会旋法でハノンを試しますか・・・そのうち。

湯山昭先生は、生徒たちや我が娘(今はアラフォー近し)が子供の頃に、子供の為の作品を披露するコンサートで弾かせて下るなど、良い経験をさせて頂いたものです。奥様が「こどもの国合唱団」を主宰されていらしたので、そこでもとてもお世話になりました。
そのような当時、「バイエルは駄目」と、3巻からなる「こどもの宇宙」という、レベル的にはバイエルであっても、近現代の響きや技法に慣れるべく、素晴らしい教則本を出版なさいました。
その中から複調(Bitonal)を取り上げました。

譜例(追加も含め)2のコピー2

その繋がりでDebussyへ。映像第1集3曲目"Mouvement"の中間部、左右が位置的に混ざる分散和音、横に流すと…6声の同じメロディ、複調とも多調とも捉えられるし、縦に耳を澄ませばトライトーンが潜んでいて不思議な響き。その一番輪郭になるメロディはC-durとも取れるし、基になるイオニア旋法とも取れる…云々。 

譜例(追加も含め)2のコピー3
 

十二音技法を軽く説明し、最後はAlban Bergのソナタ、提示部のみをごく軽く「技法の説明」をしながら試演。
更に、そのDebussyの例の箇所の音型のまま、メロディを日本の童謡にして弾いたり、モーツァルトのソナタを右手と左手で違う調で試演するなど。

譜例(追加も含め)2のコピー4

「それにはハノンをどのように」となる訳です。
この課題はまだまだ続けます。その上で、何とか60番まで進めたいものです。

配布した譜例は、著作権に引っ掛かりそうですが、後から入れます。

8日は折しも台風が来るとのことで、3時間半強で端折り、14日は4時間強に押し込もうと必死。
我ながら、何でこんな小難しい内容になってしまったのだろう、最初は「楽しい内容」として組んだのに・・・

でも、大切な内容だと信じているので〜〜・・・


追加

譜例(追加も含め)2のコピー7

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プロフィール

奥 千絵子

Author:奥 千絵子
★上の画像は2001年にCDにして約3枚分を収録したものを,2006年に2枚組としてリリースしたCD「樂の音に寄せて」です.『レコード芸術』2007年1月号で「特選盤」として取り上げられました.戸倉新樹教授によるライナーノートは医学生にもお薦めです.その他のCDや著書はWebsite「本館」からお入りください.このブログも「本館」のDIARYです.
★このブログの"Grüß Gott !" (文字化けの場合はGruess Gott!)は墺・南独の時間を問わない挨拶です.Website「本館」のDIARYです.出版CDや著書の詳細は「本館」のメニューからお入りください.
Website「別館」もあります. 著書「ピアノと向きあう」の説明を補うサイトです.よく頂く質問に説明を記載しています.
★上記著書については今井顕 氏によるKINOKUNIYA書評空間WEBLOG を是非ご一読くださいませ.
Auch auf Deutsch schrieb ich…
★【膠原病の記録】余りに医療のカテゴリーがが増えてしまったので目下整理中です.大変複雑な病気の経験が同じ病の方々への参考となりましたら幸いです.
「乳癌と膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)」「膠原病(退院後)」 ,その他の医療の話(自分以外も含めて)は「医療・病院関係」,に取り敢えず分けました.
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演奏:東京カンマーコレーゲン 
室内楽アレンジ:奥 千絵子
ショパン:華麗なる大円舞曲Op.18
演奏:奥千絵子 ショパンのワルツは上の画像の2枚組CD「樂の音に寄せて」に入っております.
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制作・著作:奥千絵子
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