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2020-03

Burgmüllerを通じて - 2019.03.15 Fri


永井進先生の『ブルクミュラー25の練習曲集』の音源に驚き、書いた2016年暮れの日記はこちらです。

最近、本当に凄い方だったのだ、と改めて思うことが多々あった。
まずは「明治44年生まれ」。
西洋文化から取り残されていた日本。大正生まれの先生方が東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)を受験された頃は、入試の課題曲は所謂「ソナチネ」も入っていたと聞いている。
昭和30年代の入試でのバッハの課題は「3声シンフォニア」(当時は「3声のインベンション」と言った)。私が入門した30年代前半頃は少なくとも高校生がシンフォニアを藝大入試用としてレッスンで弾いていた。
そんな時代だった。

だから優れた才能のある方を永井先生は藝大に送り込まなかったのだと思う。そのことも凄いが、昭和30年代に留学させたお弟子さん何人もの方々が、チャイコフスキーコンクール、ロン・ティボーコンクール、ジュネーブコンクール、リスト・バルトークコンクールなど、国際コンクールに次々入賞された。ヨーロッパに通用する音楽的芸術的下地を、当時永井先生が教え込まれたのだから。

事情あって小三から入門を許され(この事は又後日)、退屈なほど何時間も「座っているだけ」で年長者の方々のレッスンをBGMとして過ごしていた毎週末。それでも先生のお教えは無意識に耳から入っていたのだろう。先生のひと言で、まるで「使用前使用後」のごとく(失礼!!)変化するお弟子さん方の演奏を!!


話は数年前に飛ぶ。
上のリンク先の日記。「ぶるぐ協会」の存在も知らず、永井先生がそのようなLPを出されていたことすら知らずに…全てFacebookで知り、催しに飛んで行って二度吃驚!の日記(烏滸がましいながらも第1曲が始まり「私の演奏?」と思ったほどで…)。
その後、是非とも全曲聴きたい!との熱望から、ぶるぐ協会の飯田有抄さんにお尋ねしたところ、唯一板橋区の小茂根図書館に、LPからCDにコピーされて発売されたものがある(現在は廃版)とお教え下さった。早速該当区在住の妹に頼んで貸りてきてもらった。

又しても、恩師からの影響を感じた。

Burgmüllerの『25の練習曲集』は4〜5歳の頃に母の手解きを受けただけ。あとはひたすら「遊び弾き」のレパートリーの存在だけだった。1981年に帰国してからは、幼児にも音大を出た人たちにも、ロマン派の基礎、タッチの基礎、即興性を引き出す教材として教え続け、今に至っている。
勿論永井先生が指導なさるような曲集ではないから、この曲集を習った訳でも拝聴したことがある訳でもないが、永井先生のLPを拝聴し、全く違和感は無いどころか愕然とした(ペダリング以外は…)。当時の先生で、このような美しい表現をされる先生は他に居られなかったから。


私自身はかねてから、このような曲集こそCD化してみたいものだとの純粋な思いを持っていた。
奇しくも、左手を自転車事故で捻ってオクターヴが届かなくなってしまった2011年、生徒たちの発表会直前、本来はチェルニー40番を如何に楽しく美しく面白く(欲張り)弾くべきか、且つフランツ・リストへの道として講師演奏するはずが不可能となり、チェルニー30番全曲を私が演奏することになった。オクターヴが1回も出てこないので。
更に、これをCD化しよう!でもカップリング曲は??当然オクターヴが1回も出ない『ブルクミュラー25の練習曲』だ!!
そして年明けの2012年7月にナミ・レコードさんで収録をし、同2012年10月に《名曲への序章》のタイトルでリリースの運びとなった。兼ねてから指導しながら感じていたことを盛り沢山に記した分厚いブックレットと共に『レコード藝術』で「準特選盤」を頂いた。


日々が過ぎゆき、久々に恩師のCDと私のCDを並べて聴き、本当に烏滸がましいのだが、恩師の存在の大きさを実感した次第。我がCD、如何に永井先生のお教えを頂いているか・・・その曲集は全く習ったことはないのに。
常に己の心、芸術的個性、即興性(遊び心)を要求された永井先生。詳細は既に2016年、上のリンク先に記しました。

こっそり(堂々と?)数曲を並べて音源をアップします。クリックで鳴るはずです。
(お楽しみ頂ければ、ということで)


Burgmüller 25の練習曲集 Op.100より;
永井進先生の第1曲"すなおな心"
私の第1曲"すなおな心"

永井進先生の第3曲"牧歌(羊飼いの歌)"
私の第3曲"牧歌(羊飼いの歌)"

永井進先生の第14曲"シュタイヤーの踊り"
私の第14曲"シュタイヤーの踊り"


余りに厚かましく、面白がっているのは私だけかもしれないので、以上にとどめます。


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プロフィール

奥 千絵子

Author:奥 千絵子
★上の画像は2001年にCDにして約3枚分を収録したものを,2006年に2枚組としてリリースしたCD「樂の音に寄せて」です.『レコード芸術』2007年1月号で「特選盤」として取り上げられました.戸倉新樹教授によるライナーノートは医学生にもお薦めです.その他のCDや著書はWebsite「本館」からお入りください.このブログも「本館」のDIARYです.
★このブログの"Grüß Gott !" (文字化けの場合はGruess Gott!)は墺・南独の時間を問わない挨拶です.Website「本館」のDIARYです.出版CDや著書の詳細は「本館」のメニューからお入りください.
Website「別館」もあります. 著書「ピアノと向きあう」の説明を補うサイトです.よく頂く質問に説明を記載しています.
★上記著書については今井顕 氏によるKINOKUNIYA書評空間WEBLOG を是非ご一読くださいませ.
Auch auf Deutsch schrieb ich…
★【膠原病の記録】余りに医療のカテゴリーがが増えてしまったので目下整理中です.大変複雑な病気の経験が同じ病の方々への参考となりましたら幸いです.
「乳癌と膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)」「膠原病(退院後)」 ,その他の医療の話(自分以外も含めて)は「医療・病院関係」,に取り敢えず分けました.
平成12.12.12.病院での復帰リサイタルは演奏動画入り記録です。
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【BGM】
Robert Stolzメドレー
演奏:東京カンマーコレーゲン 
室内楽アレンジ:奥 千絵子
ショパン:華麗なる大円舞曲Op.18
演奏:奥千絵子 ショパンのワルツは上の画像の2枚組CD「樂の音に寄せて」に入っております.
★Copyrights©1997-2020 Chieko Oku All rights reserved.
制作・著作:奥千絵子
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