あなどれない漢方薬の副作用 - 2017.04.17 Mon
「漢方薬だから」と軽く見て服用した自戒の念を込めて。
そもそもは、処方による漢方薬。
だるい、ひどい倦怠感、疲労、気付くとうたた寝…という日々を訴え、罹患歴として乳がんと膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)をあげて受診したことで(多分)処方された「十全大補湯」。
飲むと確かに、元気満々とまでは行かないにせよ日々の諸々の作業ができる。う〜〜〜ん、もっと早く飲み始めていたなら、人生もっと充実していたかも…と思った。体力以上に頑張らねばならない何か(仕事のみならず、食事などのお付き合いのための外出)を控えている時には、1日3回しっかり服用していた。すると不思議と鼻血がタラ〜〜〜、ポタ〜〜〜・・・
風邪をひいた時には、症状によってだが「麦門冬湯」を処方された。
西洋薬が嫌いな私にはとても有難いことだった(膠原病そのものによるものや、その副作用である骨粗鬆症や高脂血症で、処方されている山ほどの薬を服用しているから)。
当時は関連があるのかどうか分からなかった……頻繁に出るようになった鼻血!!
去年の春にも耳鼻科を受診して焼いてもらった。今年も又……。
十全大補湯が関係することは薄々感じていた。2週間分を処方され、薬を切らしていると出ない気がして。
去年の時点では「原因不明の」鼻血に悩まされ、いつポタリと落ちるか分からないが故に、赤系の服や色の濃い服ばかりを着たり購入したりしていたのは何だったの!?!?・・も解明がついた。服用を再開すると鼻血だけならまだしも、原因不明の頭痛に頭の中の拍動が復活したこと。脳をスキャンしてもらった方が良いのでは?とすら思っており。
特に何か薬が増えた訳ではない…と副作用など考えなかった。漢方薬も立派な「薬」なのに。
先日漸く調べた。何か重なっている成分はないかどうかを。
★処方された医療用の十全大補湯の成分。
7.5g中、つまり1日の処方量あたり、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.0gを含有、つまり 1包は下記の3分の1になる。
日局オウギ 3.0g
日局ソウジュツ 3.0g
日局ケイヒ 3.0g
日局トウキ 3.0g
日局ジオウ 3.0g
日局ニンジン 3.0g
日局シャクヤク 3.0g
日局ブクリョク 3.0g
日局センキュウ 3.0g
日局カンゾウ 1.5g
★麦門冬湯も調べた。
本品2包(4.5g)中、下記の割合の麦門冬湯エキス(1/2量)3.0gを含有します。
日局バクモンドウ 5.0g
日局コウベイ 2.5g
日局ハンゲ 2.5g
日局タイソウ 1.5g
日局カンゾウ 1.0g
日局ニンジン 1.0g
★さらに、風邪のひき始めに勝手に使って来た葛根湯も調べた。
本品2包(5.0g)中、下記の割合の葛根湯エキス(2/3量)2.5gを含有します。
日局カッコン 2.68g
日局タイソウ 2.01g
日局マオウ 2.01g
日局カンゾウ 1.34g
日局ケイヒ 1.34g
日局シャクヤク 1.34g
日局ショウキョウ 1.34g
他にも、一般的に「小青竜湯」を勧められるから調べた。
★本品2包(4.5g)中、下記の割合の小青竜湯エキス(1/2量)2.5gを含有します。
日局ハンゲ 3.0g
日局カンキョウ 1.5g
日局カンゾウ 1.5g
日局ケイヒ 1.5g
日局ゴミシ 1.5g
日局サイシン 1.5g
日局シャクヤク 1.5g
日局マオウ 1.5g
う〜〜〜ん、調べたって何のことやらチンプンカンプン。カタカナは苦手です。
でも、それぞれの生薬を調べてみないとな…
先ずは「十全大補湯」の中で、鼻血に関係あるものはないかどうか。
「鼻血」はヒットしない・・・待てよ?どうして鼻血が出るのか??
血圧が上昇したからではないか??
実際のところ最高血圧110くらいが快適な私、130や135まで上昇しても「許容範囲です。年齢相応です。」と言われて腑に落ちなかった。頭の中で拍動が聞こえることすらあった。
それで鼻血はやめて「血圧上昇」を調べた。
あった!「甘草(カンゾウ)」!
そして調べていくと、「麦門冬湯」にも「小青竜湯」にも「葛根湯」にも甘草は含まれるのでした。
ここ迄ですら、時既に遅し!!
重ねて飲んでいたのですから。
調べるきっかけとなったのは、更に先日のこと。
3月末から「後鼻漏」に悩まされ(ちょっと汚いので嫌な方はスルーで)…
もしやこれって「副鼻腔炎」?それも急性の。
喉に流れて行く鼻水というか粘液、余りに大量だと仕事中は困る。
たまたま出先で見つけて立ち寄った(家に忘れた人工涙液を買うために)ドラッグストアに「ちくないん」という売薬を見つけた。成分を見たら漢方薬…この時はまだ副作用のことは調べていないから、即刻購入。
翌日から緑色の膿のような粘液が喉に流れて口からも出す。徐々に後鼻漏は改善した。あぁ、助かった、有難いこと!
ところが、3月末〜4月初めの寒暖差の激しい日々に風邪をひいた。
売薬の葛根湯に、その日の症状で麦門冬湯や小青竜湯も重ねて飲んだ。医者に行く時間も体力もないから。「これで治れば儲けもの!!」という安易な考え。
何だか分からないが復活した「鼻血」。
いよいよ私も馬鹿のままではいられない。
何か悪い腫瘍でもあるのではないか?に始まったが、待てよ!?「ちくないん」を調べるべきでは??
成分(一般名)を「辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)」というらしい(これは娘婿から教わり知った。勝手に服用していないで抗菌薬を服用すべき、と指摘ももらった)。
★成分と副作用を調べた。1日量を。
シンイ 1.5g
チモ 1.5g
ビャクゴウ 1.5g
オウゴン 1.5g
サンシン 0.75g
バクモンドウ 3.0g
セッコウ 3.0g
ショウマ 0.75g
ビワヨウ 0.5g
愚かな私は副鼻腔炎用と風邪用に、(麦門冬も含まれる)辛夷清肺湯と葛根湯のみならず、日によっては「何とかしなくっちゃ」と小青竜湯や麦門冬湯を服用していたことになります。医者に行く時間も惜しい、待ち時間で疲れては練習時間が減る、というもっともらしい言い訳で。
血圧上昇が副作用にあるという「甘草」をたっぷり摂取していた!!!
こんな便利なサイトに行き着きました。
【漢方薬の副作用を知る】
同じ生薬が重ならないことに注意を促し、ちゃんと「甘草」も顕著な例として挙げられていました。
葛根湯も↓

甘草のみならず、麻黄にも「血圧上昇」の副作用はあるのですね。
とんでもない勝手な飲み方をしていた・・・それに加えて小青竜湯や麦門冬湯など、トンデモナイ!!!
結局先週の金曜、私は耳鼻科を受診し、前日の激しい(吹き出すような)鼻血の処置をしてもらったのでした。
出血部位はキーゼルバッハながら、いくら毛細血管とて「動脈」と「静脈」がある訳で、動脈の部分から出る時には「まるで噴水のように」出ることを指摘されたのでした。その日は昼間にも2回出て、小鼻を指でグッとつまみ、それ以外は触れないようにしていたものの、血液とて固まれば「異物」と化す訳で、夜に出た時はその固い異物ごとグッと押さえたので「いたたたたた・・」と声を上げるほど痛みました。
しかも!この愚か者は、何とかしなきゃ、明日は医者に行こう!と思いつつ、「甘草」エキスをたっぷり服用して寝たのでした。
耳鼻科では、副鼻腔炎も抗菌薬でバシッと押さえなくてはいけない、と「クラビット」の処方。
娘婿にも娘にも言われていたのに・・・結局遠回りしてしまったではないか!
「老いては子に従え」を痛感。
愚かさを暴露しつつ、「漢方薬は安全」ということはないし、「生薬配合」のCMを鵜呑みにしてはいけない、ということまでにて記しておく次第です。
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