生きる道標 - 2008.07.01 Tue
先日からあれこれ暴露話の対象になった94歳の義父ですが・・
土曜から長野のアトリエに行きました。
東京では医師に「ペースメーカーで生きているだけの人です」と言われ,実際昼夜も分からず,夢と現実の境も分からずに過ごしていた人。
義父は戦後の混乱期から都立高校の教諭をしておりました。美術のみならず担任をし,剣道を教え,大変厳しい反面人情味に溢れ,それは今でも生徒達が何かある度に義父のところに出入りしていることが物語っています。
先週もクラス会があり,元教え子さんお二人が昼食を持っていらして下さり,その後可能ならば一緒にクラス会に,とのことでした。
補聴器を新しく購入し,そのマイクに向かって話せば辛うじて会話が成り立つ…
義父に生きる力を与えるべく色々お話しくださった様で,帰りがけには「お父様はこれから絵をお描きになるそうですよ」と仰いました。
クラス会は生憎出向くことは不可能でしたが,夜,大きな文字のファクスにてその方々より報告と共に,その日義父からどれだけ勇気を得たか,感動したか,ということが記されていました。
それにより励まされ勇気を得たのは勿論義父です。
秋の展覧会に向け,そしてその他にも,殆んど見えない目にも拘わらず絵を描くのだ,とアトリエに行くことになりました。
勿論夫が車で送り,1-2泊して差し当たっての生活の準備をする訳ですが,土曜の朝,まだ家族は全員眠っている5時頃から階下ではにぎやかな音・・いつもの事ですが,アトリエに行く(帰る?)となると,日頃は動かない筈の手足なのに単独で荷造りを始め,家具を動かし,本当にその力はいずこより?と思うほどです。
アトリエの窓一面には北アルプスが連なり,自然しかありません。
亡き義母が生前義父の為に,と建てたアトリエです。
きっとそこに居ると義母も傍に居るに違いありません。
用事で時々帰京する筈ですが,その他はおそらく制作に熱中するに違いありません。
毎日ヘルパーさんも手伝いに出向いてくださるし,お隣近所も親切に常に顔を出してくださるし・・・
介護保険などより大きな心の助けです。
乱文ながらひとまず送信。(後で手を加えるかも分かりませんが・・・)
アトリエ(但し20年近く前の新築当時です。今は……書くまい




義母の生前,アトリエの前で(窓は閉めてあるので帰京の前か??)

卒寿の個展を開催。
日野原先生が祝辞を述べてくださいました。

妻を亡くし,家も火災でなくして約1年後,単独アメリカの長女のところに遊びに行った義父

順不同ながら,長野のアトリエに居てならではの作品

同じ東京美術学校に学び,同じ伊原宇三郎門下の10年後輩であった私の父は63歳で他界してしまいました。義父には父の分も思いっきり描いて欲しいものです。心から!!
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