新しい和声の教科書 - 2015.05.11 Mon
パラパラ捲って、目に留まったところだけを斜め読みした段階、まだ問題を解いてみたわけでもないが、うん、これは難しい人には難しいだろう、と思った。でもこの新しい教科書を指導を受けながら学ぶなら、従来の3冊や黄色の分厚い1冊より要領良く学べるかもしれない。でも、あくまでもある程度の従来の知識あってのこと。
通奏低音を扱う楽器奏者にはうってつけの参考書と思う。
ヨーロッパより可成り遅れた(寧ろ禁じられていた時期もある)西洋の音楽教育。日本は「絶対音感」を付けることだけに躍起になり「相対音感」教育を疎かにしたので、あの繁雑なローマ数字による和声記号が必要になったのではないか?と常に思ってきた。それもドイツ古典派やロマン派の和声を考えるには便利な。近現代には通用しにくい。物によっては全く使えない。
讃美歌の四声体と共に育った人は、色々なきまり(並行5度とか並達8度などの禁止事項など)は耳と手が記憶していて、あの従来の教科書も苦ではなかったと思う。
その新しい教科書は、相対音感を持ち合わせていれば特に問題はないのではないだろうか。勿論絶対音感があることは前提で、書かれた和音が頭の中で鳴らなければ何も出来ないが。
至るところに「移調奏をおこないなさい」という課題があることに、「そうそう、こういう課題付き教科書が欲しかったのよ!!」と思った。
特に、「移調」のみならず「移旋」と「異旋」があり(教会旋法を含むから)、これは慣れるのに時間がかかりそう。
ただ、今から藝大を受験する人ならともかく…従来のローマ数字による和声記号も使い慣れてしまえば悪くもない。これから学ぶ人には回り道の気もするけれど。私自身は、この年齢になって改めて「新しい和声」を読むことは優先順位から外れている。必要に迫られる機会もないだろうし、何より老眼用の眼鏡をかけても肝心の数字が小さすぎ。
でも、「フォーレ終止」という進行、又それによる和声連結を「全調で移調奏しなさい」とか、食指が動くのも否めない。
人それぞれ、使う教材は違って構わないのではないか?
近年私のところに新しく来た生徒たちの中には(音大を出ているというのに)、「○調のカデンツを弾いて」と言って全く弾けない人も居て、そういう人たちには無縁すぎる教科書、と割り切って構わなさそう・・・・・
全くもう……大学は何を教えていたのか!?どうして卒業させたのか!?私大が故、月謝も高かったろうに

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