振付(演奏家から見ると…) - 2014.03.08 Sat
フィギュアの「音楽の流れとの一致」ということについて。
でも、やはり気になるのであります。
下は、ラフマニノフピアノコンチェルト第2番の冒頭。
(クリックで拡大されます)

ピアノでイントロがあり、テーマに入る直前、バシッと決める前打音があり、更に2小節をピアノが前奏としてアルペッジョを弾いた後、第1テーマの朗々としたメロディを1.Vl, 2.Vl, Vlaとクラリネットが奏で、バス音はチェロとコントラバス、それとピアノの左手のアクセントの付いた音。ピアノのアルペッジョは伴奏です。
そのアルペッジョの始まり前にはrit.あり4分音符で重さを徐々にかけて、その「前打音」の付いたタクトになる訳です。
もしフィギュアでここをtriple axelに使うなら、丸印を付けた前打音で蹴って、a Tempoで着氷出来ないものか……ゼロコンマ何秒レベルでそういう音源が無いのであれば、選手が表現し易い(寧ろ回転し易い)間の取り方でその部分の音源を作ってもらい、ツギハギをしても構わないのでは??
その後のアルペッジョの中間の、ただなだらかにハーモニーが鳴っているだけの位置で勢いよく蹴ってジャンプされると、もし指揮者だったなら困ってしまうのでは…
勿論ジャンプとしては成功でしょうが、それでOKなのか。
更に述べることが許されるなら、イントロ8小節間はpoco a poco cresc.を腕の動きで構わないので表現して欲しいように思います。
すみません。傲慢は承知です。どれだけの難度を克服しているか分かるだけに、それなら更に!!と思ってしまう次第です。
振付のコンクールなどがあったら面白い、とすら思ってしまいます。
同じ曲を使って、フィギュアで(バレエでも)音楽の起伏やハーモニーなどを考慮して振り付けるコンペティション。
個人的には大変興味があります。
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前に書かれていらしたのはこのプログラムのジャンプでしょうか。
私は好きなので最近ユウチューブで見つけました。
音楽を表現するスケーターとして世界で高く評価されている鈴木さんが世界選手権で銅メダルをとったプログラムなので思い出の演技。
もっとも初めてオリンピックで滑ったウエストサイドものがたりが刺激的で一番心に焼き付いています。
ジャンプは大きな特点源ですから 振り付け師にも腕の見せ所でよくよく研究された上のプログラムと思います。これは振り付け師のカメレンゴにも自信の作ではないかと、、
振り付けのコンクールはやはりそのプログラムでのスケート競技での評価で決まると思います。どんな良いプログラムでもその選手の持ち味を生かし且つ競技として高得点がでないと評価されない。日本人もこれから世界で評価される振り付け師が大勢でそうで楽しみにしています。