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2018-05

まむし指(ピアノに於ける)の矯正記録(3) - 2018.05.05 Sat

降って湧いた休日、とばかり前の2通をブログに書いた次第です。

今日のは4歳のお嬢ちゃんのことではありません。

その昔、NHKテレビに「ピアノのおけいこ」という番組がありました。
前にも書いたことがありますが、第一回は1962年で永井進先生。急遽決まったため、唯一小学生だった生徒の私が駆り出され、他は孫弟子にあたる方々。それも大変優秀な。第一回ですから扱うは「バイエル」。出演した生徒たちは大体3歳くらいで済ませた練習曲ですから、先生には別なご苦労がありました。カメリハでうっかり普通に弾いてしまうと、「そんなんじゃぁ指摘することがなくなるよ」と叱られたものです。「指を潰して弾いてみて」とか、切りそびれた爪を「本番前に切らないように」とか・・記憶の彼方ではありますが、そんな感じでした。
その後3ヶ月ごと、或いは半年ごとに講師の先生方は交代、内容もその先生の指導法が色濃く出て大変興味深いものでした。オーディションでモデルの生徒を募集するようになった為、徐々にレベルアップし、3年後の田村宏先生の時には全国から100人を超える小学生がオーディションに!受かった1人に6歳年下の妹が居り、お世話になりました。
そして、…(数えたが厳密に思い出せない)…私が大学生の頃、衝撃的な指導をなさったのが井内澄子先生でした。
普通の子供たちや、ピアノは独学という大人、色々な立場の人を合格させて、つまり特別ではない人たちを上達させてしまう!!
ピアノの鍵盤の蓋の部分を鏡と入れ替え、自分の手を映して練習することも印象に残っています。
それと!「まむし指の矯正」がありました。番組中の僅か3ヶ月位で完治させてしまうというもの。
熱心な指導ぶりに、後になって分かったことですが、私の大学同期生の中にも大学には内緒で習いに行った人がいた…う〜ん、何と羨ましいこと!思い付きもせず。

その後私は留学をし、コンクールや演奏活動、果ては結婚、子育てに追われて帰国。
留学中は、あり得ないほど素晴らしい先生方に師事した訳ですが、それでも「井内先生に習いたかったなぁ…」は消えず(特に「教え方」に惹かれ)、折しも満5歳から教えた娘が6歳半位の時、日本ピアノ教育連盟の公開レッスンで井内先生が講師をなさる!!運よく出させて頂きました。
娘のピアノ経験はとても浅かった訳ですが、課題曲だったバッハの小プレリュード(d-moll BWVは後で調べます)を弾き、とても楽しいレッスンをして頂きました。娘も興に乗ってハキハキ答えるものですから、大変驚かれたことを記憶しています。それほど生徒の興味を引き出す先生・・・
その時の礼状に、娘のレッスンをお願い出来ないだろうか、と書き添えたところ、とても親しげな内容や近況と共に、幼児のレッスンはしていない旨書かれたお返事を頂きました。それに添えられていたのがNHK出版のご著書『親と子のピアノ教室』。(我が家の家宝!?表紙を開くと一筆添えられたサイン!)

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この中に、やはり「まむし指」のことも書かれています。テレビの「ピアノのおけいこ」で実際に治したお話。矯正方法の例がいくつか譜例と共に載っています。内容は著作権に関わるかもしれませんから触れません(いや、私ごとき稚拙な文章力では凝縮して書けず…)。生徒たちを教える上で、とても参考になりました。まだ30代の私でしたから。


その後多くのまむし指の矯正を経験し、一口に「まむし指」と言っても十人十色。1人ずつの手の肉付きや指の長さ・太さ、親指の開き具合や関節のタイプを見極め、根気強く観察し、矯正して行くしかありません。
鉄棒の逆上がりと同じで、ある日突然出来る訳ではなく、一見突然できたように思えたとしても、それまでにどれだけ練習したか、工夫したか、それ以前に鉄棒に馴染んだか、などにかかっている訳です。
目下の4歳児は動画の通りぽっちゃりしているけれどもグニャグニャで、5度も掴めない手の大きさ、…そのうちオクターヴが届くようになるのだろうか?とも思いますが、私も4歳の時など5度は届かないほどではなかったか?と思い返し、拙著の「オクターヴ」のトレーニング方法のページなどを改めて眺める次第。

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この写真のモデルになってくれた生徒は、執筆当時は幼稚園年長組か小1か…
この子もまむし指でした。親子で気長に頑張ってもらい、この写真は治っているので1年以内で治ったのでしょう。幸い手は大きく、中3の今は10度が楽に届きます…(9度も掴めない、寧ろ届かない私としては何とも羨ましい限り・・・)

本人も観察、けれども幼いうちは親御さんが観察を手助け、それ以前に教師が真剣に観察し向かい合い、さりとて過度な要求はせずに、1ヶ月単位で少しであっても改善が見られれば、半年〜1年経った時に「いつの間にか治ったわね」という結果になる常です。

小プレリュードは、d-moll BWV 935とF-dur BWV 927でした。



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まむし指(ピアノに於ける)の矯正記録(2) - 2018.05.03 Thu

前の記録から少し空きました。練習も動画記録も、です。

親指は他の指より関節の数が少なく、他の指の付け根に該当する部分は手首関節になる。
ここから動かす練習が出来れば良いのだが、生憎4歳のチビちゃんはぽっちゃりした手で、しかも親指と人差し指の間が充分開かない。それで筒状のものを握らせたり(小さな紙テープやスティックのりなど)、前述のティッシュ箱の目の形を作ることなどは以前から続けてもらっている。

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「観察」という言葉を教え(ついでに漢字も)、ことあるごとに「観察」「観察」と言い続ける私。
「これ、いい指?」と私に訊きながらレッスンを受ける。良い時には褒め言葉を惜しまない。
第5指に関しては、本人が小さな「鏡」を要求することもある。真横から観察するとよく分かるそうで。

あ、第5ではなく第1指の話でした。
右手は可成り良くなり、それでも1本のみを弾いた時に限ってで、第2指と反復をする時には、「まむし」が治るまでは手首を高めに弾かせている第1指なので、まだまだギクシャクはやむを得ない。

間は空いてしまったが、親指は直ぐに練習方法を思い出すまでになった。

(4月30日)
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そろそろ左手↓も矯正せねばならない。

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(4月30日)右手と同様の練習をさせてみた。
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(5月2日)
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(5月2日)右手が可成り良くなって来たので、一緒に弾いて「右手が先生になってね」と練習させてみる。
まだ手首が高くなってしまうのは仕方がない。
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(5月2日)そして左手だけに戻す。
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(5月2日)両手と片手を繰り返す。
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そんなこんなで、陥没は激減した。これであとは指の角度を普通に出来れば…(手首を目下敢えて高くさせているので)

日頃殆ど大人ばかりを相手にしているので、五線帳に私がうっかり漢字で書いてしまう。「観察」のみならず、簡単な漢字の読みは自然に覚えてくれた。「凹む」「右手」「左手」「音」「半分」「半音」・・・など・・・



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まむし指(ピアノに於ける)の矯正記録(1) - 2018.05.03 Thu

4月初めから4歳児にピアノを教えています。
ところが、ピアノを弾く動作にとても支障を来らす所謂「まむし指」。
今まで多くの子供達の(いや、大人も)「まむし指」を治してきました。治らなかった例はありません。
この子は可成りの重症でしたが、一週間ほどで可成りの進歩も見られ、でも遊び弾きを禁じる訳にも行かないので、諸々並行です。

自分の著書『ピアノと向きあう』の最後の方に載せた「矯正方法」の写真、右下から実行。

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(C)奥 千絵子 Chieko Oku


最初から練習経過の画像なり動画をアップすることを思い付けば良かったのが、可成り経って気付き、でも今からでも思い出した時にはスマホで撮り、とても簡易ながら動画も記録して行きます。
もちろん指の形の矯正に終始している訳ではありません。五線で音の高さを読ませたり、長さを数えられるように、ということも並行し、それだけでは面白みもないので、知っている曲を五線譜に書いて、それを「読むことで弾く」方向。
矯正の時期は早い方が治りも早いことを多く見てきたので最優先している次第・・・


下は4月6日の、これでも可成り治った親指の形。

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ティッシューの箱の絵柄から、この目に沿って第1指と第2指をつまんでカーブを作らせてみる。
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(カーヴを作らせているところも撮りそびれ)


根気の要る作業ながら、褒めて煽てて頑張らせる。嫌がりもせず。
(4月6日)
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(4月10日)
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(4月11日)
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(4月15日)
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ひとまずここまで。続けて記録して行きたいと思います。

今日は親指しか載せていませんが、1本ずつの練習、隣接する2本ずつの反復練習、その後ドレミファソファミレの反復。
それからその日に応じて読譜。最後には一番のお楽しみ、「チューリップ」と「蝶々」の連弾…という感じであります。


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プロフィール

奥 千絵子

Author:奥 千絵子
★上の画像は2001年にCDにして約3枚分を収録したものを,2006年に2枚組としてリリースしたCD「樂の音に寄せて」です.『レコード芸術』2007年1月号で「特選盤」として取り上げられました.戸倉新樹教授によるライナーノートは医学生にもお薦めです.その他のCDや著書はWebsite「本館」からお入りください.このブログも「本館」のDIARYです.
★このブログの"Grüß Gott !" (文字化けの場合はGruess Gott!)は墺・南独の時間を問わない挨拶です.Website「本館」のDIARYです.出版CDや著書の詳細は「本館」のメニューからお入りください.
Website「別館」もあります. 著書「ピアノと向きあう」の説明を補うサイトです.よく頂く質問に説明を記載しています.
★上記著書については今井顕 氏によるKINOKUNIYA書評空間WEBLOG を是非ご一読くださいませ.
Auch auf Deutsch schrieb ich…
★【膠原病の記録】余りに医療のカテゴリーがが増えてしまったので目下整理中です.大変複雑な病気の経験が同じ病の方々への参考となりましたら幸いです.
「乳癌と膠原病(皮膚筋炎・多発性筋炎)」「膠原病(退院後)」 ,その他の医療の話(自分以外も含めて)は「医療・病院関係」,に取り敢えず分けました.
平成12.12.12.病院での復帰リサイタルは演奏動画入り記録です。
★恩師のことは55年間を遡り少しずつ記載するつもりです。目下のところはこれだけです.
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演奏:東京カンマーコレーゲン 
室内楽アレンジ:奥 千絵子
ショパン:華麗なる大円舞曲Op.18
演奏:奥千絵子 ショパンのワルツは上の画像の2枚組CD「樂の音に寄せて」に入っております.
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